追われ者

追われ者―こうしてボクは上場企業社長の座を追い落とされた
20代で上場した社長の自伝本は割と好きでよく読む。
堀江本は挫折知らずの自信に満ち溢れた内容で自分でも簡単に会社を経営出来るんじゃないかと錯覚してしまうような、読者をノせる書き方。
藤田本は派手なイメージとは裏腹に努力家で挫折も味わっているだからみんなも頑張ろう的な熱血っぽい内容。
共通するのはとても読みやすく気軽にスルスル入っていけるっていうこと。
とりあえず二人とも今は成功者なので読み終わった後はこちらも頑張っていこうという気になる。




しかしこの「追われ者」は違う。
読んでいてこんなに筋肉が疲れる読み物も他にない。
とにかくドロドロしておりその描写が恐ろしく細かい。
著者がジリジリ追い詰められていくさまがリアルに描かれている。


クレイフィッシュはかつてホスティングサービス日本一になった会社で、上場したときは最年少社長記録を塗りかえ、しかも日本初の日米同時上場を果たした記録づくしの会社。
その会社があの光通信東証一部)に乗っ取られていく過程が実名入りで書かれている。
これを読むと光通信とは絶対かかわりたくないと誰だって思うだろう。web見ると現社長の玉村氏すごい悪人ヅラしてるし(笑)
しかし光通信の怖さが際立っている内容だが、著者が当事者ということもあり信憑性はなんともいえない。崩壊の原因が著者本人にもかなりあるっぽいし。
ただそれとは別に単純に読み物として久々に手に汗かきながら読んだ作品である。


この本、超が付くほどお勧めの本だが残念なことにすでに絶版で新品での入手は殆ど無理。
わたしもAmazonマーケットプレイスで中古なのに新品と同じ値段で買いました(泣)